素材は国内産の杉を使っています。四方の外枠と内側の格子状に組んである骨と呼ばれるもので形成されています。角材の杉を鉋又は機械で面を綺麗に削っていき、釘や金具を使わずに接着剤を間に入れて木槌で一つ一つ手作業で組んでいきます。
屏風作りにおいて最も大切で要になる和紙の蝶番を付けていきます。屏風のサイズによって変わってきますが、大きさに応じた枚数の和紙でできた羽根(はね)を木枠に貼っていきます。後に羽根を組む際に緩みがおきないよう、きちんと木枠に接着していることに注意します。
蝶番をつけた枠に基礎となる紙をはっていきます。通常、紙をはる際は、紙の四隅に糊付けをしていくのですが、強度を増すために枠の骨にも糊を付け、骨があばれないように紙に接着させていきます。これを骨縛りと言います。
薄手の和紙を空気の層を作るためにずらしながら貼っていきます。屏風の大きさによって枚数は変わってきます。諸説ありますが、この時の面の様子が雨具の「蓑」に似ていることからみの貼りと言われています。
薄い糊を全面につけた薄手の和紙を、なで刷毛でしわにならないように丁寧にみの貼りの上に貼り、空気の層を閉じ込めます。これにより一層強度が増されます。これをみのおさえと言います。
みの貼りとは違う手法で和紙を袋状にして貼っていき、再度空気の層を作り強度を増し、本紙を貼った際にふっくらとした感じを出すために袋貼りをしていきます。これにまた薄い糊を全面につけた薄手の和紙を、なで刷毛でしっかりとしわにならないようになでながら、下貼り全体を押さえ込みます。これを清貼りといいます。
羽根が付いている枠同士を組み合わせていきます。後に本紙、裏紙、へりを貼った時の厚みを考慮して、厚紙を挟み、隙間を作りながら組み合わせます。緩みすぎず、きつくなりすぎないような加減が大事になってきます。
下貼りをしっかり施した枠にいよいよ本紙となる紙を貼っていきます。まず、本紙の裏側に湿り気を与え、これにより、紙が伸び、乾燥させた後縮むのでしわの出ない綺麗な仕上がりになります。次に本紙の四隅に糊を付けていき、しわにならないようになで刷毛を使い、四方をおり込んでいきます。
枠のサイズに裁断した布地を裏面に貼っていきます。本紙と同様に布地の裏に湿り気を与え、四方に糊を付け、なで刷毛を使い、おり込んでいきます。昔は裏紙に紙を用いていましたが、現在では丈夫さを持たせるために布地を使っています。
本紙の四方に屏風らしさを出すためにへりを付けていきます。織物で出来ている裏打ちされた反物を枠の大きさに応じたサイズに裁断し、糊で左右ずれないように貼っていきます。
カシュウ塗りされた椽を枠の上下左右に打ち付けていきます。最後に椽の上に飾り金具を付けて屏風の完成となります。